2007年08月03日

忘れていた八月

最近、会社と家の往復生活とこの暑さで
気持ちも身体もふさがり気味だった。

沖縄の暑さは、湿気と刺さるような日差し。
それもかなり鋭利に刺されるから、どうやら骨の髄まで
暑さがしみこみ、それが疲労感となって全身を廻る。
それはきっと液体よりも廻りが速く、すぐにダウンして
しまうのだ。

先週の日曜は、久々に休日らしい休日な日曜日を
過ごした。洗濯機を回しながら、床掃除。
ベランダに干した洗濯物は生ぬるい風にそよぎ、
すぐに乾いた。

そんなとき、ドアのチャイムが鳴る。
出るといつも家に配達に来てくれる郵便やさん。
今日は小さくて軽い小包を持っている。

礼を言ってドアを閉める。
ベットに腰かけ、軽い荷物を開けてみた。
そこには「ハッピーバースデー」のカードと
ビーズのネックレスが沢山。

母からだ。

一瞬、寂しさと嬉しさが混在したように口元がゆるむ。
そうか、私は8月生まれだったんだなあ・・。

なんとなくホームシックになりながら、この間の久々の
母からの電話で「シークワサーが高血圧にいいみたいだから
送って・・」という言葉を思い出し、お礼がてらにと早速市場付近の
八百屋に向かう。

国際通りを横断し、市場通りをまっすぐ歩く。
いつもの景色がやけに久々で懐かしい。
観光客が増えたなあ・・そうか八月だからな。と、またもや
八月を振り返る。

何処からかガラス風鈴の音。そして道端にはおば~がリアカーで
野菜を売っている。そこには深いグリーンと甘い香りの赤い玉が
所狭しと並べられているのだ。大粒のシークワサーと沖縄マンゴー。
旬まっさかりのそれらは、視覚、嗅覚から私に夏がきたことを
思わせた。

よかった、母に大粒のものを送ってあげられるな。とシークワサーの
ネットを2つ抱えて帰る。途中の酒屋で泡盛を2本吟味し、それもお土産に。
黒糖も忘れず購入。べたな沖縄セットを抱え、ダンボールの中でパズルを
組んで、隙間にはうっちんの錠剤とカラフルなアメリカのゼリービーンズを詰め込む。

途端に箱の中はおもちゃ箱のように色んな色がひしめいていた。
小さい頃はこんなプレゼントを母からもらっていたけど、今は私が
送る番となったんだな。そう、今でも覚えている、誕生日の朝
枕元に置かれていた黄色いカゴには、色とりどりのままごとセットが
沢山顔を出していた。あの頃は寝室にクーラーなんて無かったから
八月の汗ばむ朝、べたべたなおでこはそのままに、居間に下りて
はずかしながら、「ありがとう」をいう。そしてくるりとひとまわり。
誕生日になったら、自分の身長が伸びている気さえしていた。
大きくなってるんだと信じて疑わなかった。

そんな風に私にとって、八月はなんとも特別な月だった。
独特の暑さと雰囲気、八月にしか味わえない出来事。
成長していると信じて疑わなかった誕生日。
今までそんな風に思ってきた8月は、わたしの中から消えていた。

今日は、今日の出来事は、私に八月を思い出させる精一杯の
メッセージだったんだろう。
誰がささやいたかはわからない。ただ・・・

「八月を忘れないで」

をいたく感じた日曜の昼下がりの出来事。



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Posted by yuzuco at 09:17│Comments(2)場所
この記事へのコメント
再度登場です。
一足お先に、また一つ年をとりました・・・
もう三十路と言われた時から遠ざかった感が否めません。
浅草めぐりしたね〜えらいお酒も飲んだような・・・
楽しかったね〜(暑かったよね)

気分だけはまだ・・・な変な居心地を感じつつ
着々と年代は中年世代へと突入です。。。

お母さんからのプレゼント、いいね。
私もなかなか母にはプレゼントをあげる機会を逃しているんだけど
誕生日が近いので、おいしいシャンパン(スパークリングでない)でも
二人で飲もうかと検討中です。
プ○ダのバッグが欲しい、とか言われてるんだけど・・・

もうお互い良い年になってしまったけど
お母さんにとってはいつまでも「子供」なんだろうね。
ホント、適わないです・・・
Posted by barbara at 2007年08月03日 14:34
幾つになっても母は偉大。
この間の台風のときも、何度も電話してきて
「今、テレビに暴風雨の中カッパ着た子が
歩いてたけど、まさかあんたじゃないでしょ~ね」とか
心配してきたりね。んなわけないんだけどさ~

そして、いつまで経っても誕生日は特別なモノ。
年中行事でない自分だけのものだしね。
お母さんのそんな日には、是非食卓を共に
したいよね。その気遣いがすごく親孝行な気がする。
忘れないで気にかけること。離れてみてやっと分かった
親への気遣いでした・・。
Posted by ゆーずゆーず at 2007年08月03日 15:56
 
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